静かに立つサーフボードが、暮らしの中に“海”を運んでくる。
何も足さず、何も削らず、ただひとつの曲線が部屋の空気を整える。
自分らしく、丁寧に暮らすための「海のある部屋」のつくりかた。
波の気配を、部屋の中にも
サーフボードがひとつあるだけで、空間の空気は不思議と変わります。
そこに波の音が流れているわけでも、潮風が吹き抜けているわけでもないのに、
なぜか「海」の気配がふわりと漂いはじめるのです。
週末のサーフトリップに出かけられない日でも、
部屋の隅に立てかけたボードをふと見上げるだけで、
あの波のリズムや、濡れた砂の感触、陽に焼けた木の香りまでもが、
記憶の奥からじんわりと立ちのぼってきます。

サーフボードは、ただのスポーツギアではありません。
それは海とともにある生き方の象徴であり、
“自分らしい暮らし”を形にするインテリアアイコンでもあります。
今では、ビーチスタイルを楽しむ多くの人たちが、
この1本のボードを「飾る」というより、「迎え入れる」ようにして部屋に置いています。
本記事では、そんなサーフボードを取り入れたおしゃれなインテリアの実例を、たっぷりとご紹介。
西海岸風のヴィンテージスタイルから、自然素材を活かしたナチュラルテイスト、
余白を美しく活かすミニマル派の部屋まで、幅広いテイストに対応しています。
さらに、サーフボードを室内で安全かつスタイリッシュに飾るための実用的なコツや、
インテリアに映えるおすすめアイテムもピックアップ。
「海のそばに暮らしたい」
「サーフィンはしていないけど、あの空気感が好き」
そんなあなたにこそ届けたい、“海とともにある暮らし”のヒントを詰め込みました。
サーフボード×インテリア、その魅力
空間に“ストーリー”が生まれる

壁にそっと立てかけられた3本のサーフボード。
それは単なる“物”ではなく、そこに暮らす人の人生の一部のように、静かに存在しています。
初めて訪れた部屋で、ボードを目にしたとき、思わず想像してしまうのです。
「この人は、どんな海で波に乗ってきたんだろう?」
「どの季節が好きなんだろう?」
「このボードには、どんな思い出が詰まっているんだろう?」
その1本から伝わってくるのは、波の高さでも技術でもなく、
海とともに過ごした“時間”と“記憶”。
色褪せたワックスの跡や、かすかな傷さえも美しく、語りかけてくるようです。
サーフボードは、インテリアとして飾ることができる数少ない「道具」。
それでいて、暮らしの中に**“物語”や“旅の記憶”を持ち込めるアートピース**でもあります。
置き方や背景との組み合わせ次第で、その人のスタイルや価値観が自然とにじみ出るのも魅力のひとつ。
何気ない生活のワンシーンに、
「その人らしさ」や「海との関係性」がにじむ──
サーフボードがある部屋には、そんな静かなストーリーが流れているのです。
空間に“リズム”と“余白”ができる

サーフボードには、独特のフォルムがあります。
縦に長く、細く、しなやかで、どこか有機的なカーブを描くその形。
直線と四角が中心になりがちな室内空間に、
自然の“流れ”のような曲線美を持ち込むことで、空気がやわらかく動き出します。
無機質になりがちな現代のインテリアに、
サーフボードが加わるだけで、そこに“リズム”が生まれるのです。
まるで波の揺らぎのように、視線がすっと流れる。
その感覚は、絵画や彫刻のような静かな芸術性を持ちながら、
生活空間と違和感なくなじみ、さりげなく存在感を放ちます。
広めの白壁に水平に飾れば、アートギャラリーのように洗練された印象に。
反対に、部屋の角や玄関横に立てかければ、主張しすぎず、心地よい“抜け”が生まれます。
空間に余白を持たせたい人、生活の中に風通しを感じたい人には、特におすすめのスタイルです。
家具を増やすのではなく、“引き算”で魅せるインテリア。
そんな考え方にも、サーフボードは自然と寄り添います。
何も語らずとも、そこにあるだけで「好き」や「価値観」が伝わる。
それが、サーフボードが持つ“静かな存在力”なのです。
暮らしの中に余白があるということは、心にも余白があるということ。
そのために必要なのは、大げさな模様替えでも、高価な家具でもなく、
たった1本のサーフボードを迎えることかもしれません。
サーフボードのある部屋、3つのスタイル
ここからは、実際にサーフボードをインテリアに取り入れている、素敵な部屋の実例をご紹介します。
「ただ置いてあるだけ」ではなく、どれも暮らしの風景に自然と溶け込み、
その人らしい“海との距離感”を表現している空間ばかりです。
インテリアのテイストや部屋の広さ、ライフスタイルによって、
サーフボードの置き方や選び方は少しずつ変わってきます。
壁に大胆に飾るスタイルもあれば、あえて無造作に立てかけて“余白”を演出する方法もあります。
どれが正解というわけではなく、大切なのは“自分にとっての心地よさ”を見つけること。
今回は、ナチュラル、ヴィンテージ、ミニマルという異なる3つのスタイルを通して、
サーフボードがどんなふうに空間に寄り添い、暮らしの中に「海」を運んでくれているのかを見ていきましょう。
「自分の部屋だったら、どんな置き方が似合うかな?」と想像しながら、
あなたのライフスタイルにフィットするヒントを探してみてください。
Case 1|ナチュラル&リラックス:白×ウッドの海辺スタイル

まばゆい陽の光が差し込む、白を基調とした明るい部屋。
床はオーク材の無垢フローリング、ラタンチェアと生成りのリネンカーテンが、
どこか海辺のコテージを思わせるような、やわらかな空気をまとっています。
そんな空間の壁に飾られているのは、ウッドフレームで固定された一本のサーフボード。
ナチュラルな木の質感と白のバランスが心地よく、
空間全体に“抜け感”と“リズム”を与えてくれています。
飾り棚にはドライフラワーや流木、シーグラス、シェルなどの海モチーフ雑貨がさりげなく置かれ、
窓辺にはユーカリのグリーンが揺れています。
自然素材を重ねたその空間は、決して作り込みすぎず、でも確かに“センスの良さ”を感じさせる仕上がり。
この部屋の魅力は、「どこにいても海を感じられる」ということ。
サーフィンをしない人でも、自然と調和した暮らしを求める人にとって、
このスタイルはきっとインスピレーションになるはずです。
Case 2|無造作に、でも絵になる。西海岸×ヴィンテージのラフスタイル

引用:https://f-tool.net/column/column-5978
カリフォルニアの古いビーチハウスを思わせるような、
ラフでちょっとヴィンテージ感のあるサーフスタイルルーム。
壁は少しラフな白塗装、床は深みのある木目、
そこに置かれた家具は、デニムソファや錆加工のアイアンラック。
どれも新品ではないのに、どれも“味”がある。
そんな空間に、サーフボードが無造作に立てかけられています。
壁に掛けるのでも、特別なスタンドを使うのでもなく、
まるで今日も海に行く予定があるかのように、ラフに置かれたその姿がかっこいい。
周囲にはサーフマガジンのバックナンバー、古いフィルムカメラ、
そして西海岸を思わせるモノクロのポスター。
“完璧に整っていない美しさ”が、このスタイルの魅力です。
この部屋のように、インテリアに「遊び」や「余白」を取り入れることで、
サーフボードの存在感はより一層引き立ちます。
「飾る」のではなく「使いながら暮らす」ライフスタイルにぴったりな実例です。
Case 3|静けさと曲線が映える、ミニマルサーフスタイル

生活感を削ぎ落とした、白と黒を基調としたミニマルな部屋。
家具は必要最低限。装飾も抑えられ、静かな空気が流れています。
その空間に、一本のサンドベージュのサーフボードが静かに立てかけられていました。
ボードのカーブは、室内の直線的なラインにやわらかさを与え、
光が当たるたびに、その陰影が少しずつ変化していくのも美しい。
どこにも“海っぽさ”を主張するアイテムはありません。
でも、その一本があるだけで、「この人の暮らしには、きっと波がある」とわかる。
控えめなのに、余韻を残す。そんな不思議な存在感。
このスタイルは、「インテリアに海を感じさせたいけど、ごちゃつきたくない」
「サーフィンが自分の一部だけど、それを主張したくない」
そんな人にこそ響くはずです。
見せるより、にじませる。語るより、感じさせる。
**ミニマルな空間に静かに寄り添うサーフボードは、まさに“沈黙の中の美”そのもの。
サーフスタイルの部屋づくり、今日からはじめよう
サーフボードのある部屋は、あなたの毎日に“海”というエッセンスを加えてくれます。
それは「外に出かける」ための道具でありながら、
「内なる自分と向き合う」ための存在でもあります。
海が好き。
自然とともにある暮らしをしたい。
そんなあなたの想いを、まずは部屋の片隅からカタチにしてみませんか?
部屋に“海”を取り入れるということ
サーフボードのある暮らしには、どこか**「ゆるやかな時間」が流れています**。
朝、コーヒーを淹れる時も、ふとした瞬間に目に入るボードが、
波の音や潮の香りを思い出させてくれる。
それは単に「かっこいい部屋」を作ることではなく、
自分にとって心地よい空気を整えることなのかもしれません。
部屋を変えるというより、生き方を少し変えてみる。
そんな気持ちで、サーフボードを迎えてみてはいかがでしょうか。